▲作業をする大畑蘭さん ■「Rope」開店までの道のり イラストレーターでデザイナーの大畑蘭さん(本名:三谷蘭さん)。 大畑さんの両親が音楽教室を営んでいることもあり、幼少期から感じたことや思いを表現する環境で育った。 絵画として表現することが好きになった大畑さんは、中学時代から美術部に所属。高校生の時に開催された「中国04総体」のポスターデザインに大畑さんの作品が採用されたことで、デザイン業を故郷である大田市ですることを夢みるようになる。 高校卒業後は、愛知県の芸術大学に進学し、鳥取県の映像制作会社を経て、知識・技術・感性を養い大田に帰郷し開業。 開業後、生まれ育った町の活性化を手伝いたいと考えるようになる。 それまでは自宅で、デザインやイラスト制作をしていたが、街中で人が賑わう場を自分の手で創り上げたいと考え、「Rope」開店に至った。 ■「Rope」に込められた思い 2017年2月、ショップ兼ギャラリー「Rope」をオープンさせた。「Rope」に込められた思いを大畑さんはいう。 「デザインの仕事というのは何かを発信する側と受け取り側を繋ぐ橋渡し。それは用途に合わせて表現のスタイルを変え、自由がきくもの。まさにヒモのようなものであり、モノやヒトを繋げたいと思い、Ropeという名前にした」 ▲なるべく自分たちの手で作ったというカジュアルな店内はどこか落ち着く ■「Rope」があることで 「これまでは、デザイン関係ばかりのお客さんと会うことが多かったが、店舗を持ったことで、今は地域のいろんな人が顔を出してくれるようになったので嬉しい。お客さんからは、絵画や小物雑貨などを置いている空間があるのは楽しいと言っていただいている。また、他のセレクトショップとコラボした販売会などのイベントができるようになった。コラボすることで、自分だけではできないこともできるようになる」と話す。 販売しているポーチなどの小物雑貨は、全国の作家さんが作ったこだわりの強い手作りのものが並ぶ。 大田のどこにも売っていないようなものを揃えているとのこと。また、主に小学生を対象とした絵画教室も週1回開催している。 ▲大畑さんが描く温かみのある作品 ■イラスト・デザインへのこだわり 本来、イラストとデザインはイラストレーターとデザイナーという別々の職種があるくらいなので、分けて考えられる。 しかし、大畑さんはテーマを伝えるものを描く「イラスト」と紙面の構成をする「デザイン」の両方をこれまで培った技術によって行っている。 「実際にイラストを描き、ひと手間かけることで、手仕事が入った温かみのあるデザインができる」と大畑さんはいう。 ■今後の目標 「クリエイターであるので、イラスト・デザインの向上に向けて精進していきたい。また、田舎にいながらも、自分のやりたい仕事ができるという姿を見せられるようにし、都会にいないと華やかな仕事ができないという風潮をなくしていきたい。そして、今後もイラスト・デザイン、セレクトショップ運営、絵画教室の3本柱を主体としてやっていきたい」と語る。 取材を通して、大畑さんの口からは「帰郷してからたくさんの地域の方に協力してもらえた。これからも地域とのつながりを大切にしていきたい」など、地域や周りの方たちへの感謝の言葉を何度も話していた。 大畑さんの魅力ある人柄で、今後も地域に頼られる存在であり続けてほしい。 《店舗情報》 (この記事は「どがなかな大田市です!!」第36号(2017.6)に掲載したものです。記事の内容は掲載時点の情報です。)