いきなり定住するのはちょっと・・・という方。こんな「おおだ暮し」はいかがですか? 広島と三瓶の2つの地域を行き来しながら暮らしている持原興治さん。月2回、1週間程度を三瓶町志学で過ごし、四季折々の三瓶の自然を満喫しながら、田舎暮らしを楽しんでおられる持原さんをお訪ねしました。 持原 興治(もちはら こうじ)さん 昭和17年生まれ。広島県安芸郡府中町で母、妻との3人暮し。平成14年7月にマツダ株式会社マーケティング部を退職し、同年10月から三瓶町志学に建てたセカンドハウスでの暮しを始める。 出会い 欧米人のライフスタイルに憧れ、若い頃から素敵な60歳「ゴールデン・シックスティ」を迎えるため、退職後に生活する場所を探していました。そんな時、たまたま仕事の関係で昭和63年に三瓶を訪れる機会があり、雄大な自然や温泉などの素晴らしい環境を知り、そして何より三瓶の良さを語ってくれる地元の鈴垣英晃さんと出会い、しだいに三瓶の魅力に魅せられました。少し早い気もしましたが、翌年の平成元年、三瓶町志学にセカンドハウス用の土地を購入しました。それから何度も三瓶を訪れ、四季折々の三瓶を感じ、気候などの地域特性を把握し、「こんな家が作りたい」と自ら模型を作成したのが退職の1年前のこと。そして平成14年10月に建物が完成しました。 二地域居住 三瓶では妻と一緒に畑で農作物を作ったり、近くの温泉へ行ったり、ゴルフやスキーなどの趣味を楽しんだりして過ごしています。そして祭りなど地域のイベントがあれば積極的に参加し、地域とのつながりを大切にしています。また三瓶で採れた山菜や自ら栽培した野菜を広島のご近所にお裾分けしたりして喜ばれています。広島と三瓶、どちらも『住む』だけでなく、地域の人たちとの交流を楽しむことで、より充実した生活を送ることができています。97歳の母も三瓶の自然を親しみ「ここに来ると元気になる」と大変気に入っています。 地域へのお返し 長年、企業のマーケティング部で広告宣伝などの仕事をしていたことを活かし、現在、志学小学校で総合学習のお手伝いをしています。三瓶のすばらしさを伝えようと地元の子どもたちが三瓶の魅力について調べているのを知り、『コミュニケーション』をテーマに、かつての仕事仲間に呼びかけ、三瓶を紹介するポスターやCMの作成を子どもたちと行いました。自分が得意としていたものが地元の人たちのお役に立つことができ自分も幸せです。 一生この生活を続けたい こちらの人は、みんな正直です。だから自分も正直でいることができます。自分に正直であるとは、自分らしく生活できるということ。歳をとって車の運転が自分でできなくなっても、タクシーを使ってでも広島と三瓶を行き来するこの生活を続け、死ぬまで自分らしく"ゴールデン"な人生を送りたいと思っています。 セカンドハウスを建築するため、自ら作成した模型。冬の寒さなど土地のことをよく知る地元建築業者の方とめぐり合い、この模型を基に、希望どおりのセカンドハウスが完成。現在では、その方と山菜採りなど三瓶の自然を楽しんでいる。 「鈴垣英晃さん(左)とは同い年なので価値観が同じで良かった。今では竹馬の友のような関係。鈴垣さんのような地域のキーマンと親しくなれたので私はラッキーだった。」と持原さん。 ※二地域居住…都市住民が、本人や家族のニーズ等に応じて、多様なライフスタイルを実現するための手段の一つとして、農山漁村等の同一地域に置いて、中長期(1〜3ヶ月程度)、定期的・反復的に滞在すること等により、当該地域社会と一定の関係を持ちつつ、都市の住居に加えた生活拠点を持つこと。 持原さんは2つの地域で2倍楽しい暮しをされています。大田市では、定住を希望される方へ、空き家の情報提供を行っています。空き家などを利用した「おおだ暮し」を考えてみませんか。 この記事は「どがなかな大田市です!!」Vol.9(2008年6月発行)に掲載されたものです。記事の内容は掲載時点の情報です。