以前に本誌(「どがなかな大田市です!!第12号」)で取り上げた大田市へIターンされた山田良子(やまだりょうこ)さん。大田市へ移住されてから4年を過ぎた今、"富山町"での暮らしについて尋ねてみました。


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私と娘と息子、3人で大田市に越して来たのは、今から4年前です。愛知県の濃尾平野で暮らしていた私たち家族にとっては、起伏に富んだ地形も、曲がりくねった山道も、何もかもが初めてのことばかりでした。

「緑がたくさんあって、のどかで、住む人々はみな仲良く温かで…」「反面、不便で地域のつきあいが多く、干渉も多い。」都会の人が想像する山村の姿。大田で生活してそうしたイメージは、良くも悪くも山村の姿のごく一部でしかないと感じています。

都会の人の目に映る豊かな自然は、そこで生活する人々の日々の努力によって、その美しい景観を維持しているということ。のどかと思われている生活の中には、厳しい自然と向き合っている現実があるということ。
あたりまえだけれど、いろいろな人が暮らしている中では、諍い(いさかい)もあるということ。でも、家と家との距離と反比例して、人と人との心の距離は、とても近いということ。不便さを補ってあまりある魅力に溢れているということ。この4年間で、いろいろなことに気づきました。 

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人口14万人の都市から越してきた子どもたち。
小さな虫にも大騒ぎしていた4年前の夏から、随分と大きく成長しました。4年間、私が育てたのではなく、ぐんぐんと自分たちの力で育ってくれた、たくさんの人たちに支えられて大きくなった、そう感じています。
そして、人だけでなく、豊かな自然も子どもたちを育ててくれました。

私たち家族が暮らす富山町は、棚田の美しい山間の町です。四季それぞれに美しい景色があり、子どもだけでなく私も、その中からたくさんのことを学びました。

春、自分たちの手で摘み取ったフキノトウを天ぷらにして、命に囲まれて生活していることを感じました。夏、冷たい川で思い切り遊び、豊かな自然に感謝しました。秋、稲刈りで忙しい町民のみなさんの姿を見て、おいしいお米をいただけることを心から有り難く感じました。冬、雪に覆われた毎日の中、暖かく暮らす知恵を学びました。

どこに住んでも、きっとプラス面もマイナス面もあるのだと思います。でも心の持ち方次第で、プラスがどんどん増えていく、そう思います。私は、厳しい自然の中の温かな町、富山町が大好きです。

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これからも、私たち家族を優しく迎えてくれた富山町と、お世話になっている周りの人たちに感謝しながら、毎日を過ごしていきたいと思っています。子どもたちにとって大田市富山町が、「大好きなふるさと」になるために…。 (筆 山田 良子)

いいことばかりではない田舎の暮らし。厳しい自然や便利ではないことも全部受け入れ、ここで暮らす山田さん。だからこそ、地域住民に優しく受け入れられ、田舎での暮らしを楽しむことができているのではないでしょうか。


大田市への 定住に関するご相談は…
おおだ定住支援センター
 (大田市役所まちづくり推進課内)
 電話0854-82-1600で承っています。

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山田さんの暮らす富山町
大田市の北東に位置する253世帯、643人、高齢化率45.88%の山間の町(H24.9.1現在)
要害山(299m)の山麓に美しい棚田風景が広がる


この記事は「どがなかな大田市です!!」Vol.22(2012年10月発行)に掲載されたものです。記事の内容は掲載時点の情報です。