ダルマダイの一本釣にかける想い

筑後修さんは、福島県の中央に位置し太平洋に面した漁師町、双葉郡浪江町で生まれ育ちました。高校卒業まで浪江町で過ごし、卒業後は東京の水産会社に就職しました。
東京で働き始めてから数年が経ち、平成15年1月、妻の実家がある仁摩町へIターンし、小型底びき網漁船乗組員として働くことになりました。
働き始めて数ヶ月後、腰を痛めてしまい、小型底びき網漁船で働くことに限界を感じ始めました。そんな時、知り合いから遊漁船業の紹介があり、「これなら自分のペースで出来る」と思い、独立の準備に取り掛かりました。それから船舶免許を取得し、一本釣協議会の先輩から講習を受けながら、現在の船『祐栄丸』を購入し、一本釣漁業者としてデビューしました。

はじめは苦労の連続で、思うように操業できない日が続きました。しかし、先輩の助言を受け、勉強を重ねていくうちに、徐々に潮の流れの読み方やメダイの釣り方が分かるようになりました。
メダイを対象とした一本釣漁業は、新規漁業者でも取り組みやすく、努力次第で大きな収入を上げることができます。
筑後さんは、「私がここまで出来るのは、仁摩地区に一本釣協議会という組織とメダイの一本釣という漁法があったから。そして島根県の新規漁業者支援事業があったことも、私が一本釣漁業者として歩み出す上で大きな力になった」と語ってくれました。  また、筑後さんが釣ったメダイは、自ら営む魚料理店『より道』で粕漬けやしゃぶしゃぶ、一夜干しとして出しています。多くの皆さんにメダイの美味しさを知ってもらえるよう夫婦で協力し、頑張っています。


漁業協同組合JFしまね仁摩支所一本釣協議会
昭和45年に発足し、平成17年度の会員数は44人。
主な活動内容は、一本釣を主体とした漁具漁法の研究、仕掛けの改良などの情報交換を行う。最近は、近隣の一本釣協議会と協力しながら、UJIターン漁業者の技術指導に力を入れている。

◆問い合わせ
0854−88−2311


この記事は「どがなかな大田市です!!」Vol.2(2006年3月発行)に掲載されたものです。
記事の内容は掲載時点の情報です。